青山美智子さん著書の「人魚が逃げた」を読みました。
この本の感想・レビューをお伝えします。
青山美智子さんの作品は、「リカバリー・カバヒコ」など、本屋大賞に多くの作品がノミネートされています。
文庫本もたくさん販売されており、「月の立つ林で」「お探し物は図書館まで」「マイプレゼント」などがあります。
メルヘンあふれる優しい物語で、日常生活に疲れ気味なあなたの心を癒やしてくれる1冊です。
タイトルは人魚が逃げた、なのに表紙は銀座の和光時計台です。
「人魚が逃げた」感想・レビュー
「人魚が逃げた」の感想・レビューは、
- 読書初心者にも読みやすい
- 銀座を歩いている気分になる
- 心が疲れた時に特におすすめ
- 王子の魔法で踏み出す人たち
では、1つずつ説明していますね。
読書初心者にも読みやすい
青山美智子さんの本は、ほどほどの分量で、優しい雰囲気の小説が多く、読書初心者に読みやすい作家です。
「人魚が逃げた」は、全ページが240ページ(Amazon公式サイトより)で、章に区切られており、少しずつでも読みやすくなっています。
もちろん、読書上級者や優しい小説が好きな方、難しい本ばかりを読みすぎて疲れた、などの方にもおすすめです。
青山美智子さんの本は、読書初心者や優しい雰囲気の小説を読みたい方におすすめです。
青山美智子さんは、読書家にファンが多い作家のひとりです。
読書好きなのに読んだことがない方は、ぜひ1冊読んで、青山ワールドを体験することをおすすめします。
銀座を歩いている気分になる
「人魚が逃げた」の舞台は、週末・祝日に開催される銀座の歩行者天国です。
そのせいか、タイトルに人魚がつくのに、表紙は和光の時計台です。
他にも、あんぱんで有名な「木村屋總本店」や、「四丁目交差点」「パラソルつきテーブル」「銀座三越」「教文館書店」など、銀座ならではの名所がたくさん登場し、まるで自分が銀座を歩いているような気分になれます。
銀座に行ったことがない方は、ネットで写真を見ながら読んでもよいかもしれません。
読み終わってから、銀座巡りをかねた聖地巡礼もできそうですね。
銀座の歩行者天国が舞台で、実在のお店が数多く登場し、自分が歩いているような気分になれます。
作風は全体にとても優しい雰囲気で、どんな方にも親しみやすい物語です。
心が疲れた時に特におすすめ
「人魚が逃げた」の登場人物は、それぞれに悩みや迷いを抱えながら、銀座の歩行者天国を歩いています。
そして、彼らは突如現れた「王子」に出会います。
いろんな童話に王子は登場しますが、この物語の王子は、アンデルセン童話の「人魚姫の王子」です。
もしかしたら、「リトル・マーメイドの王子」と言った方がわかりやすいのでしょうか。
突然、銀座に現れた王子の目的は何か、何をするのかも見どころです。
突然現れた王子と、銀座を歩いている人たちとの出会いと関わりも見どころです。
童話の人物が現実の世界に登場する、メルヘンなお話。
これまで、あまり読んだことがないタイプの小説でした。
王子の魔法で踏み出す人たち
「人魚が逃げた」の登場人物たちは、休日の歩行者天国を楽しそうに歩いています。
とても楽しそうですが、それぞれの人生に悩みや迷いを抱えています。
私達と同じです。
私達と同じように悩む登場人物たちには、共感しかありません。
彼らは歩行者天国で王子と出会い、少しだけ会話をした後で、自分たちの悩みや迷いに立ち向かっていきます。
普段関わりがない人の助言や言葉が、悩みの解決に役立った経験は、どなたでもお持ちではないでしょうか。
それと同じかもしれません。
さっそうと現れた王子が、そっと彼らに魔法をかけてくれているようです。
そして人々は悩みの中から一歩を踏み出して、前へ踏み出す決意をします。
悩める人たちに、王子がそっと魔法をかけてくれるのです。
世界中で読まれている(であろう)「人魚姫」の童話ですが、登場人物によって、いろいろな解釈をしており、人魚姫について語る場面が出てきます。
同じ童話なのに、人によって、こんなにも解釈に違いがあるのかな、と新たな発見をしました。
王子ってコスプレの人?人魚ってどこにいるの?その答えは最後にわかります。
最後は意外な結末を向かえます。
私も王子にあってみたいな、あったら何を話すのかなと想像しつつ読みました。
とにかく読んで、本の世界にひたってほしいです!
【おまけ】青山美智子さん著書本レビュー記事
文字のみなので、画面が白黒の端末で読むのがおすすめ