新川帆立さん著書の「目には目を」を読みました。
この本の感想・レビューをお伝えします。
今まで読んだことがないミステリー小説で、「目には目を」って、だれのことなの?と疑問に思いつつ読み始めました。
新川帆立さんは、テレビドラマ化された「元彼の遺言状」や「帆立の詫び状」のエッセイなど、多くの作品がある話題の作家さんです。
帆立さんの小説は、カラッとすっきり終わるイメージが強いのですが、この本は、読了後もずっしりと心に重い感じがします。

物語のメインは少年院です。
「目には目を」感想・レビュー

「目には目を」の感想・レビューは、
- 読んだことがなかったミステリー小説
- 少年犯罪の理解が少し深まった気がする
- 被害者家族と加害者家族の苦悩がつらい
では、1つずつ説明していきますね。
読んだことがなかったミステリー小説
「目には目を」のメイン舞台は少年院です。
少年院を出院し、再スタートを果たした元少年が殺されてしまいます。
現場は院の中ではありません。
犯人はすでに逮捕されています。
犯人にある情報を提供した人物がいて、それがきっかけで殺人事件が起こります。
情報提供者は誰か、その人物は少年院に入っていた人物に間違いない、というちょっと変わったミステリー小説です。
少年院が舞台のミステリー小説って、めずらしいですよね。
複数の少年が登場します。ひとりひとりの描写が細かくて、リアルに存在する少年なのかな、とさえ思えました。
少年院は、厳しくも優しい教官がいて、更生のための授業ばかりを行って、いつも反省文を書いているイメージがありました。
それもあるようですが、意外と集団で行う行事が多く、他の少年たちと接する場面も多いことに少し驚きました。
いずれは社会人として生きていく人たちなのですから、当然かもしれませんが・・・。

「目には目を」のメイン舞台は少年院です。
物語の結末は、犯人へ情報を提供した人物と殺人事件の動機がわかり、すっきりと終わります。
すっきりとは終わるものの、犯罪そのものをなかったことにはできません。
しかも少年犯罪です。
読了後も、未成年者の犯罪の重さが心にずっしりとのしかかります。

読み終わった後も、少年犯罪の重さがずっしりと心に重くのしかかります。
少年院は、なんらかの罪を犯した14歳から20歳の少年・少女、つまり未成年が入る施設です。
未成年の犯罪は、大人の犯罪とは少し違う気がします。
少年犯罪の理解が少し深まった気がする
10代の犯罪は、大人の犯罪とは少し違うような気がします。
少年の環境や心の状態、発達状態が密接に関係しているようです。
それをなんとなく理解している気になっていましたが、さらに少し理解が深まった気がしました。

わかりにくい少年犯罪を、少しだけ深く理解できたような気がします。
未成年の犯罪は、ほとんどの場合は被害者家族と加害者家族がいます。
被害者自身や家族の苦悩はもちろんのこと、加害者自身や彼らの家族の苦悩も、とても重いものであるはず。
想像を絶するような苦しみがあるのではないでしょうか。
被害者家族と加害者家族の苦悩がつらい
「目には目を」には、たくさんの被害者と被害者家族、加害者と加害者家族が登場します。
彼らが背負っているものは、とても重く苦しいものです。
少年院を出たから終わり、というわけにはいかず、ずっと心に重いものを背負い続けています。
1つの事件が、たくさんの人の人生を変えてしまうのです。
これもなんとなく理解した気になっていましたが、小説とは言え、文章で読むと想像以上につらいかもしれないと思わずにはいられませんでした。

被害者家族と加害者家族の苦悩がとてもつらいです。
読了後も、ずっしりと心に重い小説です。
更正できる可能性が高い未成年者の犯罪は、よほどの大事件でない限り、メディアでくわしく伝えられないことが多いです。
しかし未成年者の犯罪は、大人の犯罪以上に、たくさんの人の心の傷を作ってしまうのだということを痛感させられる小説でした。

被害者家族も加害者家族も、とてもつらいのしょうね・・・。
【新川帆立さん著書レビュー】










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