新川帆立さんの「ひまわり」を読みました。
この本の感想・レビューをお伝えします。
表紙の挿絵は、ひまわり畑の中にたたずむ女性の力強いイラスト。
あらすじは、交通事故で脊髄損傷をしてしまい、首から下がほとんど動かなくなってしまった女性が弁護士になるまでを描いた物語です。
この女性は実在しませんが、同じように交通事故で脊髄損傷をした後、司法試験に合格し、現在も活躍中の男性弁護士がいらっしゃるそうです。
とても希望あふれる力強い小説です。
弁護士を目指す方、落ち込んでいる方や悩みがある方におすすめです。
もちろん、そうでない人もどうぞ。

社会人から弁護士になるなんて、すごい!
「ひまわり」感想・レビュー

「ひまわり」の感想・レビューは、
- 弁護士になる方法が理解できる
- リハビリの大変さが理解できる
- ひまりの挫折・努力のすごさが理解できる
では、1つずつ説明していきますね。
弁護士になる方法が理解できる
「ひまわり」は、ごく普通の会社員として働いていた女性ひまりが、弁護士になるまでを描いたドキュメンタリー小説です。
著者の新川帆立さんは、弁護士資格を持っており、法律事務所で働いた経験をお持ちです。
つまり「ひまわり」を読むと、弁護士になる方法が理解できます。
弁護士になる方法は、大学の法学部に進学するだけではありません。
方法は3つあるそうです。
司法試験合格後に、司法講習を修了しなければなりません。
まずは、司法試験合格が必須です。
- 法学部のある大学へ進学する(4年間)
予備試験・司法試験に合格する
不合格なら、②か予備試験・司法試験を再受験
司法講習を受ける - 法科大学院へ進学する(3年間)
司法試験に合格する
不合格なら、予備試験・司法試験を再受験
司法講習を受ける - 予備試験・司法試験に合格する
不合格なら、どちらも再受験
司法講習を受ける
予備試験は学歴不問で、合格すれば司法試験を受験できます。
そして、司法試験に合格すれば弁護士になれます。
つまり、弁護士は誰でもなれます。
とは言いつつ、独学ではかなり難しい資格。
実際は、法学部へ進学中に予備試験・司法試験を受ける方が多いそうです。
ひまりのように、社会人が弁護士を目指すなら、法科大学院へ進学して司法試験を受験するか、いきなり予備試験・司法試験を受けるかになります。
ひまりは、②の法科大学院へ進学する方法を取りました。
法科大学院は、法学部へ進学中に予備試験・司法試験に不合格になった人が多く進学するそうです。
ですので、法科大学院の学生は余裕がありません。
それこそ勉強漬けの毎日です。
ましてや、ひまりのように社会人が弁護士を目指すのは、かなりのレアケースです。
レアケースのひまりは、年下の法科大学院の仲間と司法試験に合格するために、とにかく勉強漬けの毎日を送ります。

主人公のひまりは、法科大学院へ進学して、弁護士を目指します。
法科大学院へ進む前に、ひまりは壮絶なリハビリを受けました。
リハビリの大変さが理解できる
「ひまわり」の主人公ひまりは、交通事故で脊髄損傷をした後、勤めていた会社を退職し、幼馴染の勧めで弁護士を目指します。
弁護士を目指す前に、壮絶なリハビリを受けます。
月並みなことしか言えませんが、リハビリは非常に大変です。

リハビリは、とても大変です。
ひまりが受けたリハビリの大変さは、実際に本で読んでください。
ひまりの挫折・努力のすごさが理解できる
「ひまわり」のメインは、ひまりの壮絶なリハビリの日々や、司法試験に合格して弁護士になるまでの過程です。
実在の女性モデルはいませんが、同じように社会人として企業で働き、交通事故に遭った後で退社し、弁護士になった男性はいらっしゃいます。
弁護士になるまでの過程もほぼ同じだそうです。
ですので、リアリティーある小説として読むことができます。
もともとご本人が優秀だったのでしょうが、首から下がほとんど動かない状態で勉強漬けの毎日を送り、司法試験を受けるとは、気の遠くなるような話です。
私なら絶対無理・・・。
そもそも弁護士を目指すほどの優秀な人間ではないのですが・・・。

「ひまわり」のメインは、ひまりの挫折や、司法試験に合格して弁護士になるまでの過程です。
体に障害を持った人が働きやすい社会になってほしい、と言うのは簡単ですが、実際には難しい問題がたくさんあります。
少しずつでも、どんな方でも生活しやすい社会になってほしい、と願うばかりです。

どんな人でも生活しやすい社会になってほしいです。
【おまけ】同じく新川帆立さん著書の「女の国会」も載せています。
文字のみなので、画面が白黒の端末で読むのがおすすめ