町田そのこさん著書の「蛍たちの祈り」を読みました。
この本の感想・レビューをお伝えします。
あらすじは、理不尽な環境で育った子どもたちや大人たちが、その後の人生を自らの意思でよい方向へ運ぶ物語です。
殺人事件も盛り込まれ、ミステリーとしても読めます。
つらい場面が多いのですが、だからこそ希望が見える結末に、蛍のように、ぼんやり明るい光が見えてくるようです。

ガラス細工のような、きれいな花が表紙です。
「蛍たちの祈り」感想・レビュー

「蛍たちの祈り」の感想・レビューは、
- 子どもは親を選べない理不尽がつらい
- 不幸を繰り返さない努力を感じる
- ある小説を思い出す
では、1つずつ説明していきますね。
子どもは親を選べない理不尽がつらい
よく言われることですが、「子どもは親を選べない」のです。
「子どもは親を選んで生まれる」説も聞いたことがありますが、よく言われるのは親を選べない方ですよね。
子どもが親を選べないなら、この世に生まれて成長する環境に適していない場合、その子の生い立ちはつらいものになってしまいます。
リアルエッセイに興味があれば、コレがおすすめ
「蛍たちの祈り」の主な登場人物の子どもたちや大人たちは、つらい環境で成長した人たちです。
この理不尽は、読んでいてつらいです。
しかし、つらいだけではありません。
この本は、1冊を通して1つの物語になっていく短編小説集です。
1つ1つの物語の結末は、必ずほのかな明るさが見えてきます。
まるで蛍の光のように。

つらい環境で育つ子どもたちですが、少しだけ明るい結末は、蛍の光のようです。
舞台となっている田舎町で行われる夏祭りで舞う蛍と、物語結末の小さな希望の光が、うまく組み合わされているようにも感じます。
不幸を繰り返さない努力を感じる
「蛍たちの祈り」に登場する子どもたちは、自分の環境をしっかりと受け止め、次の世代へ連鎖を繰り返しません。
虐待や貧困は次の世代に連鎖しやすい、と言われます。
虐待や貧困の中で育つと、それが普通になり、成長しても同じ環境を自分の子どもに与えてしまうことがあります。
確かにそうなるだろうな、と想像できます。
連鎖を繰り返さないようにするには、
- 自分の環境が普通でないと想像する力
- 普通でない環境から変わるためにどうするべきか考える力
が必要な気がします。
これまでのスタンダードを想像力だけで変化させるのは、相当の努力が必要になりそうです。

想像力だけで、これまでのスタンダードを変えるのは、相当の努力が必要なのではないでしょうか。
この物語を読み進めるにつれ、1つの小説を思い出しました。
ある小説を思い出す
「蛍たちの祈り」は、1冊を通して1人の少年が出てくるのですが、彼は実の親でない人に育てられます。
まるでバトンが渡されるように。
「こういうの、前に読んだことがあるなあ」とふと思い出しました。
そうだった!かなり雰囲気が違いますが、この小説です。
瀬尾まいこさん著書「そしてバトンは渡された」は、実の親から何度かバトンを渡されるように、育ての親が変わっていく少女が大人になるまでのストーリーです。
過去には、本屋大賞を受賞し、映画化もされています。
こっちの登場人物は、お人好しな大人ばかり。
実の親でなくても、こんな環境で育てばよい大人になりそうです。

「蛍たちの祈り」が「暗」としなら、「そして、バトンは渡された」は「明」のような感じです。
実の親でない人に育てられても未来は明るい、という共通テーマの2冊。
あわせて読んでもよいかもしれません。

実の親でなくてものびのびと育てば、幸せに育ったと言えますね。きっと。
【町田そのこさん著書レビュー】
















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