「BUTTER(バター)」柚木麻子 感想・レビュー(英語版あり)

柚木麻子さん著書「BUTTER」の感想・レビューをお伝えします。

第157回(2017年上半期)直木賞候補、2018年本屋大賞ノミネートになった小説です。

「BUTTER」は海外(特にイギリス)でも大人気で、翻訳版もハードカバーで発売され、ダガー賞にノミネートされました。

日本では、新潮文庫から出版されています。

「エシレバター」という高級バターが登場し、この小説を読んで、バターが食べたくなる人が続出しているようです。

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読む自信のある方は、海外版をどうぞ。

あきぶどうの吹き出し
あきぶどう

私は、新潮文庫をKindle版で読みました。

「BUTTER(バター)」感想・レビュー

バターの写真

「BUTTER(バター)」の感想・レビューは、

  • とにかく長編小説!心して読むべし!
  • 過去の事件と似ているが、決してパクリではない結末
  • 食事は身体を作ることが理解できる
  • 変わらない友情と裏切りの友情が起こり、共感した

では、1つずつ説明していきますね。

とにかく長編小説!心して読むべし!

「BUTTER」は、とにかく長編。

長いです。

約600ページもあります。

1日30分ずつ読んで、読了までに半月かかりました。

一気読みができない方は、ゆっくりじっくりマラソンのように読み進めてください。

本屋で見ると、本の分厚さがよくわかります。

殺人事件の小説ですが、ミステリーでありません。

ミステリーのように一気に話が進む展開ではなく、ゆっくりじっくりとした展開です。

長編ですが、少しずつ読むのに適しています。

マラソンをする子どもたちのイラスト

一気読みができない方は、マラソンのように、ゆっくり読んでください。

「BUTTER」のベースになっている事件は、過去に起こったある殺人事件を思い起こさせます。

過去の事件と似ているが、決してパクリではない結末

「BUTTER」のベースとなっている殺人事件は、実際に起こったある事件を思い起こさせます。

ある事件を思い起こさせますが、途中からは、この事件とは全く関係ない展開になり、全く関係ない結末を迎えます。

最後まで読まないと、どうなるのか予想ができません。

登場人物全てが、落ち着く場所を手に入れる結末です。

途中は、登場人物たちの心の揺らぎや突飛な行動にハラハラしますが、ラストは落ち着く場所を手に入れます。

読了後は、安心した気持ちになりました。

喜ぶ子どもたちのイラスト

登場人物全てが、落ち着く場所を手に入れることができます。

タイトルに「BUTTER」とあるように、バターが登場します。

食事は身体を作ることが理解できる

「BUTTER」には、たくさんのバターが登場しますが、「エシレバター」という(少なくとも私のような庶民には)なじみのないバターが登場します。

エシレバターは1894年の創業以来受け継がれている製法で作られており、原料として使われるのは工房から半径50km以内で育てられた牛の生乳だけなのだとか。搾乳から回収までは72時間以内と定められており、絞ったばかりの生乳を48時間以内にクリームに加工し、代々伝わる乳酸菌を用いて乳酸発酵させて作られています。牛が食べる干し草についても仕様書で規定されているため、生乳の味が年間を通して一定となり、安定した品質のエシレバターの製造が可能になるのです。

【クラシル「フランス発祥「エシレバター」の魅力とは?特徴や日本のバターとの違いについても解説!」】より一部抜粋

大量生産ができないバターのようです。

主人公は、おじさん週刊誌記者の町田里佳。

里佳は、殺人事件の容疑者として拘置所に抑留中の梶井真奈子(「カジマナ事件」として世間を賑わせている)との面会を繰り返します。

そして、カジマナにエシレバターを勧められます。

里佳は、高級食材を扱うお店でエシレバターを買い、ご飯にのせて食べた途端にエシレバターにハマってしまうのです。

カジマナとの面会を繰り返すうちに、数々のお高め食材を勧められ、買い続けてしまう里佳。

忙しい仕事と一人暮らしのせいで、雑な食生活を送っていた里佳は、カジマナのように少し太ってしまいます。

毎日の食事は、身体を作っていくのですね。

自分の食生活を振り返って、少し反省しました。

私も食事には気をつけよう・・・。

高カロリーのバターにハマってしまった里佳は、少し太ってしまいます。カロリーには、気をつけないといけません・・・。

主な登場人物は、里佳とカジマナだけではありません。

里佳の学生時代からの親友、伶子も重要人物です。

変わらない友情と裏切りの友情が起こり、共感した

里佳とカジマナは、面会を繰り返すうちに友情めいたものが芽生えます。

並行して、里佳と伶子の友情も描かれます。

里佳と伶子の友情は、学生時代から変わらない絶対安定形。

最後には、変わらない友情と裏切りの友情が同時に起こります。

この2種類の友情が、とてもリアル!

私は、コレどっちも経験あります。

2つの友情とは別に、里佳と伶子とカジマナの周りにも、たくさんの人がいて、彼らとの関係もあるわけで・・・。

最後には、登場人物全員が、落ち着いた場所に行き着きます。

わかるなあこの感じ、と思えました。

これが、海外で人気の理由なのでしょうか。

上を見上げる子どもたちのイラスト

2つの友情と、彼女らの周りの人との関係が、この小説の醍醐味です。

いくつかの友情と、家族や恋人、同僚や上司、先輩や後輩・・・1人の人がたくさんの人とつながって生活しています。

孤独が社会問題化していますが、ほとんどの人は、誰かとつながって生活しているでしょう。

よく行くお店の店員さんと顔見知りならば、立派な1つの人間関係です。

そう考えると、人と人は絶対につながっています。

長く続く友情もあれば、途切れる友情もありますが、できるだけ多くの素晴らしい友人関係を築きたいものです。

あきぶどうのハートの吹き出し
あきぶどう

たくさんの、よい友情を築きたいなあ。

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【おまけ】くどうれいんさんの「湯気を食べる」も、食事の大切さを教えてくれます。

「湯気を食べる」くどうれいん感想・レビューアイキャッチ

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