町田そのこさん著書の「ドヴォルザークに染まるころ」の感想・レビューをお伝えします。
出版社は光文社です。
登場人物は福岡県の過疎地域「かなた町」で生活をする人たち(地元の人ではない帰省客・旅人も)です。
派手な演出や意外性がなく、落ち着いた印象が強い作品で、「毎日を生きることが、次の一歩につながるんだな」と思わせてくれる1冊です。

登場人物が多いので、相関図を書きながら読むとよいかも
「ドヴォルザークに染まるころ」感想・レビュー

「ドヴォルザークに染まるころ」感想・レビューは、
- 登場人物が多くてややこしい
- 下校時のノスタルジーを思い出す
- びったりとはびこる男尊女子が辛い
- 人によって「おもしろい」「おもしろくない」が別れそう・・・
では、1つずつ説明していきますね。
登場人物が多くてややこしい
「ドヴォルザークに染まるころ」は、登場人物がとても多く、強烈な個性を持つ人がいなくて関係性がわかりづらいです。
きちんと理解したいなら、面倒くさいのですが、相関図を書きながら読み進めた方がよいでしょう。

登場人物の相関図をメモしながら読み進めるとよいかもしれません。
ところで「ドヴォルザーク」は、ご存知でしょうか。
あの曲は、日本人なら誰でも知っているはずです。
下校時のノスタルジーを思い出す
【ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」】は、小学校の下校時に流れる音楽として、あまりにも有名です。
この小説の舞台は、廃校が決まった小学校で行われた最後のお祭りです。
同じ祭りに参加している人たちが、会場のいろんな場所で同じ【ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」】を聴く形で話が進んでいきます。
あの曲を聴くと、なんとなく悲しい気持ちになったものです。
悲しげなメロディーだからでしょうか。
本当に悲しくはなかったけど・・・。

タイトルの「ドヴォルザーク」とは、下校時の音楽【ドヴォルザーク交響曲第9番「新世界より」】のことです。
福岡の田舎町で生きる人たちが登場人物。
この地域は、自由に振る舞えない環境のようです。
びったりとはびこる男尊女子が辛い
「ドヴォルザークに染まるころ」の登場人物は、福岡県の田舎町で暮らす人たちです。
他の地域から帰省した人や、観光客も訪れますが、ほとんどは個性を出しにくい田舎で暮らす人たち。
自分が生まれた頃から知っている人ばかりに囲まれた生活をしています。
安心感もあるのでしょうが、閉塞感もあります。
「近所の人に見られている」と常に感じる生活は、人生の方向転換ができない、大きな失敗をした時に立ち直る手段がない・・・など、無言の圧力を感じてしまいそうです。
- 環境に違和感を持ちつつ、諦めて地元に残っている人
- 違和感を持ったことが全くなく、絶対的な安心感の中で生活している人
- 違和感を持ち町から離れた人
- 事情を抱えて地元に戻った人
- 旅行客・旅行者
などが登場します。
どれが正しいとも言えない難しい決断です。

様々な事情を抱えて田舎町で暮らす人が、多く登場します。
この町には、びったりとはびこる男尊女卑思想が存在しています。
田舎と言われる地域が、全てこのような状況なのかはわかりませんが、「これはしんどいかもしれない」と率直に感じました。
女性でも、何も疑問に持たなければ、この環境はとっても楽なはず。
男性(もしくは権力を持つ人)の言うことに従っていればよいからね・・・。
人によって「おもしろい」「おもしろくない」が別れそう・・・
「ドヴォルザークに染まるころ」は、「おもしろい」と好印象の人と「おもしろくない」と言う人に別れる作品のようです。
- 田舎と言われる地域の出身・住んだことがない人には理解しにくい
- 自分のやりたいことを率直に行動してきた人には理解しにくい
作品のような気がします。
閉塞感や無言の圧力が、びったりと包み込む物語です。
全体に重苦しい・・・。
人によって評価が別れるのは、これが理由でしょう。
結末は、カラッとした人がはっきりと意見を伝えて終わります。
ここはスッキリできました。

カラっとした人が、はっきりと意見を伝えて終わります。ここは拍手、という感じ。
ノスタルジーを感じるタイトルとセピア色の表紙が素敵な本です。
内容に「想像と違った」と感じる人も多いようなので、注意してください。

読了後は、なんとも言えない気持ちになりました。
【町田そのこさん著書レビュー】














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