「成瀬は天下を取りにいく」他 成瀬シリーズ 感想・レビュー

「成瀬は天下を取りにいく」アイキャッチ

 2024年の本屋大賞受賞作「成瀬は天下を取りにいく」と、2025年本屋大賞ノミネート作「成瀬は信じた道をいく」、さらに続編の「成瀬は都を駆け抜ける」を読みました。

この3冊は「成瀬シリーズ」とされています。

本が売れないと言われている中でのベストセラーシリーズ!

シリーズ舞台の滋賀県大津市で聖地巡礼ができるそうです。

ドラマ化や映画化されてもおもしろそうですね。

成瀬シリーズの感想・レビューをお伝えします。

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漫画もあります。

あきぶどう

「ミシガン」に乗りたい!

まず、成瀬シリーズの読む順番を説明していきますね。

「成瀬シリーズ」の読む順番は?

ミシガンの写真

「成瀬シリーズ」は全部で3冊発売されています。

①は文庫本、②③は単行本のみです。(2025年12月現在)

発売順に読めば、筋を追って読めます。

発売順は次の通りです。

「成瀬シリーズ」読む順番
  • 成瀬は天下を取りにいく(2023年3月単行本発売)
  • 成瀬は信じた道を行く(2024年1月単行本発売)
  • 成瀬は都を駆け抜ける(2025年12月単行本発売)

3冊とも短編小説集ですが、実質1巻・2巻・3巻となっています。

1冊だけ読んでも構いませんが、この順番で3冊全て読むことをおすすめします。

順番に全てを読んでこそ、成瀬あかりの面白さが理解できます!

笑顔のイラスト

3冊全部読んで、成瀬あかりの面白さを体感してください。

では、「成瀬シリーズ」の感想・レビューを説明していきますね。

「成瀬シリーズ」感想・レビュー

西武デパート池袋店の写真

「成瀬シリーズ」の感想・レビューは、

  • 西武大津店が閉店する想いに共感できる
  • 地元愛の強弱に共感できる
  • 京都との距離感に共感できる
  • 主人公たちと「成瀬」の距離感に共感できる
  • 地域にいそうな「成瀬」の存在感が光る

共感ポイントがたくさん散りばめられています。

「地元(滋賀県大津市)」「成瀬あかり」を軸に物語が進む短編小説集です。

普段の読書にはもちろん、久しぶり読書のリハビリ本としてもおすすめ。

では、1つずつ説明していきますね。

「成瀬は天下を取りにいく」西武大津店が閉店する想いに共感

「地元デパートの閉店」は、日本人のほとんどが体験済ではないでしょうか。

外出しても、旅行に行っても、地元駅へ戻るとそびえ立つデパート。

あれを見ると、「ああ、帰ってきたな」と実感できます。

町のシンボルのような存在です。

シンボルがなくなる悲しさは、独特の思いがあります。

デパートのイラスト

地元駅前のデパートを見ると、「帰ってきたな・・・。」と実感したものです。

「最近は、ショッピングモールで買い物するから、デパートがなくても困らない」という中高年世代は多いでしょう。

しかし、デパートは思い出深い場所でもありますね。

  • 子供の頃に誕生日やクリスマスプレゼントを買ってもらった
  • 友達とバーゲンで服を買った
  • 初めてのデートで行った

などなど。

成瀬シリーズ1作目「成瀬は天下を取りにいく」のキーワードは「西武大津店」です。

数年前に閉店した実在のデパートだそう。

地元デパートがなくなる事実を知った市民たちの、少し悲しく、少し前向きな物語が展開していきます。

この喪失感は、とても共感できました。

「成瀬は信じた道をいく」地元愛の強弱に共感

成瀬シリーズ2作目「成瀬は信じた道をいく」のキーワードは「びわ湖大津観光大使」です。

地元愛が強めな人、弱めな人が登場します。

  • 大津市愛が強い人
  • 大津市を離れたけど、時々戻る人
  • たまたま大津市に住んでいるだけの人

大都会でも田舎でもない滋賀県大津市。

生まれも育ちの大津市の人、大津市から離れたけど時々戻る人、家族の転勤や家を建てたために大津市に住んでいるだけの人など、取り巻く状況は様々。

地元への思いも様々です。

町で生活している人たちのイラスト

大津市の特徴は、

  • 琵琶湖のそばに位置した観光地
  • 都会の大阪・京都までは電車で60~90分くらいで
    通勤・通学が可能

様々な状況の人が住んでいることが予想できます。

様々な人たちが、琵琶湖のそばで生活をしています。

その生活を元に、物語が展開していきます。

私は、引っ越しを経験しているので、地元愛が強くありません。

友人には、生まれた時からずっと地元で生活している人がいます。

友人の地元愛は、少なくとも私よりは強いです。

同じ地元でも、その場所への愛情の強さは人によって違います。

地元への思いの強弱が、とても共感できました。

「成瀬は都を駆け抜ける」京都との距離感に共感

シリーズ3冊目「成瀬は都を駆け抜ける」のキーワードは「京都大学」です。

なんと、成瀬は京大に進学します。

大津市在住の彼女は、自宅から通学するのです。

大学生となれば、自宅派と下宿派に別れますね。

  • 自宅から通学するから、京都のことはあまり知らない
  • 自宅が京都市内のため、京都を知り尽くしている
  • 下宿しているので、京都のことは全く知らない

京都との距離感が様々な人が、同じ大学で勉強します。

県をまたいで通学する成瀬は、京都のことをくわしく知りません。

京都を知ろうとする方法が、彼女ならでは、という感じです。

京都のことを知り尽くしている地元から通う学生、京都をあまり知らない大津市在中の成瀬、京都を全く知らない遠方出身で下宿生活をする学生。

様々な京都との距離感の人が同じ大学でキャンパスライフを謳歌します。

大学のイラスト

京都大学に進学した成瀬のキャンパスライフに、ますます目が離せなくなりました。

旧友の島崎と離ればなれの生活になってしまった成瀬。

キャンパスライフを謳歌する成瀬の周りに、新たな仲間が加わって、さらにパワーアップしていく姿に、ますます目が離せなくなりました。

主人公たちと「成瀬」の距離感に共感

成瀬シリーズは短編小説集です。

「成瀬」という不思議女子と、彼女と関わりを持つ主人公たちの物語です。

この主人公と成瀬との距離感が絶妙なのです。

  • 幼なじみ
  • クラスメイト
  • 後輩
  • バイト先の客
  • 家族

など。

私達も子供の頃から大人になるまでの間に、リアルに関わりを持った人たちです。

女子学生のイラスト

主人公と成瀬との距離感は、自分の10代の対人関係と重なります。

10代を思い出しつつ「ああ、あの頃はこんな感じだったなあ。」と思い出しながら読み進めることができます。

10代の対人関係は、今も昔も変化していないと気づかされました。

地域にいそうな「成瀬」の存在感が光る

タイトルにもなっている重要登場人物の「成瀬」。

クラスにひとり、学校にひとり、ではなく、地域にひとりいそうな存在です。

かなり変わっているのですが、どこかにいそうな不思議女子という感じ。

彼女も地元愛が強い人物です。

湖のイラスト

成瀬が強烈な存在感を持っています。あり得ないキャラクターではなく、どこかにいるかもしれないくらいの不思議な人です。

  • 都会でも田舎でもない滋賀県大津市
  • 観光地でありながら都会に近くて通勤圏
  • 成瀬という変わった女子
  • 成瀬を取り巻く普通の人たち

このバランスが絶妙で、共感ポイントがいっぱいです。

日本のどこで生活していても「ああ、わかるな・・・。」と思えます。

あきぶどう

あっと言う間に読み終わりました。

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