「婚活マエストロ」宮島未奈(文藝春秋)感想・レビュー

「婚活マエストロ」感想・レビューアイキャッチ

2024年本屋大賞を受賞した「成瀬は天下を取りにいく」の著者、宮島未奈さんの「婚活マストロ」を読みました。

この本の感想・レビューをお伝えします。

「婚活マエストロ」は、「成瀬は信じた道を行く」の次に発売された本です。

「成瀬は天下を取りにいく」が宮島未奈さんのデビュー作、2作目が「成瀬は信じた道をいく」、3作目が「婚活マエストロ」になるそうです。

デビュー作があれだけの大ヒットになったとは、すごいですね。

文字のみなので、画面が白黒の端末で読むのがおすすめ

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あきぶどう

成瀬2作品が好きな方は、絶対に楽しく読めます!

「婚活マエストロ」感想・レビュー

婚活パーティーの写真

「婚活マエストロ」の感想・レビューは、

  • 主人公の危うさに共感できる
  • 主人公の気持ちに共感できる
  • 婚活パーティー主催者の想いが理解できる

 普段の読書にはもちろん、久しぶり読書のリハビリ本としてもおすすめです。

では、1つずつ説明していますね。

主人公の危うさに共感できる

主人公は、40歳を迎えたフリーWebライターの独身男性です。

自宅で仕事をすることが多く、外出をする機会も、スーツを着て仕事をする機会も、ほとんどありません。

自宅で完結する仕事は気楽ですが、もしかしたら途切れてしまうかもしれない、という危うさも持ち合わせています。

なんなら今の俺の一番のセールスポイントは「暇」かもしれない。

「婚活マエストロ」より

などと自嘲する場面がところどころにあり、悲壮感こそありませんが、なんとなくの不安感が想像できます。

「今のままで不満はないし、そこそこ満足はしているけど、ずっとこのままで大丈夫かな?」とゆるい不安感を持っているのです。

パソコンを見る男の人のイラスト

主人公は「このままフリーWebライターでいいのだろうか」とゆるい不安感を持っています。

ゆるい将来の不安感が、ゆるい婚活へと導いたのかもしれません。

主人公の気持ちに共感できる

主人公は、執筆の取材に婚活パーティーに参加します。

そして、ほんの少しの期待を持ちつつ、その後も婚活パーティーに参加します。

婚活パーティーと聞くと、真剣そのもののように思えますが、この主人公は、ものすごく真剣ではありません。

うまくいかなくても、ものすごく落ち込み続けるのではなく、「ああ、ダメだったな」くらいの、ゆるい気持ちで落ち込んでしまいます。

「婚活パーティーに参加して、よい話し相手ができればよいな」くらいの気持ちで参加している姿に共感できます。

主人公は、時には婚活パーティーにスタッフとして参加します。

ある参加者に気持ちが入ってしまい、ずっと気にかけ続けてしまうのです。

昔なら「あいのり」、最近ならAmazonプライムの「バチェラー・ジャパン」を観ているような気分なのでしょうか。

ある参加者をずっと気にしてしまう主人公に共感できます。

司会者の男の人と女の人のイラスト

婚活パーティーに参加してがっかりしたり、スタッフとして気持ちが入ってしまったり、主人公の気持ちが忙しくなっていきます。

在宅Webライターが、いつの間にか婚活パーティーに参加したり、スタッフになったり、忙しくなっていく様子がリアルでとてもおもしろいです。

婚活パーティー主催者の想いが理解できる

主人公はフリーWebライターですが、「婚活マエストロ」と言われている婚活パーティーを主催する会社の女性も、重要登場人物です。(本来「マエストロ」は男性のこと。女性は「マエストラ」と言うらしい)

婚活パーティーを主催するスタッフの想いが理解できます。

  • パーティーを悪用する人がいないように
  • できるだけたくさんの人が、その後の関係にステップアップできるように
  • おとなしい人に、そっと声がけをして後押し

など、あくまでもスタッフとして、婚活に力を注ぐマエストロの想いが理解できます。

婚活をしている人の物語を見かけることはありますが、主催者側の物語は少ないのではないでしょうか。

この小説は、数少ない「婚活主催者側の物語」でもあります。

スーツ姿の女の人のイラスト

婚活マエストロは、婚活のプロ。1人でも多く、その後の関係にステップアップできるように、常に気を配ります。

「婚活マエストロ」は、ものすごく真剣な婚活を伝える物語ではありません。

今のままでよいのだろうか、と少し不安になった人たちが、たくさん登場する物語です。

婚活をしていない方でも、共感ポイントがたくさんあります。

今のままでよいのだろうか、と少し不安になって、何かに挑戦する機会は誰にでもあるでしょう。

それが「婚活」だった人が登場人物です。

「成瀬は天下を取りにいく」の舞台は滋賀県大津市。

「婚活マエストロ」の舞台は静岡県浜松市です。

少しだけ大津市が登場します。

成瀬シリーズ同様、とてもおもしろい小説で、あっという間に読み終わりました。

あきぶどう

少し先が不安になったら、ゆるく何かに挑戦できる人になりたいです。

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【おまけ】
2024年本屋大賞受賞作「成瀬は天下を取りにいく」はこちら

「成瀬は天下を取りにいく」アイキャッチ

「傲慢と善良」も、作風は違いますがテーマは婚活です。

「傲慢と善良」辻村深月(本)感想・レビューアイキャッチ

「ブックレコメンド」にレビューを載せていただきました。

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