「あのとき売った本、売れた本」という本を読みました。
この本の感想・レビューをお伝えします。
著者は、紀伊國屋書店新宿本店で25年間働いた書店員です。
書店の裏事情が理解できる、本好き・本屋好きには、たまらない1冊です。
これを読めば、書店へ行きたくなること間違いなし!です。

書店員って、おとなしい方が多い印象ですが、そんなことはないのかも。
「あのとき売った本、売れた本」感想・レビュー

「あのとき売った本、売れた本」の感想・レビューは、
- 書店の裏事情が理解できる
- 書店は情熱的な人の集まり(?)
- 書店の必要性とは・・・
では、1つずつ説明していきますね。
書店の裏事情が理解できる
「あのとき売った本、売れた本」著者の小出和代さんは、あの超大手、紀伊國屋書店新宿本店で25年もの間、書店員として努めていらっしゃいました。
つまり、この本を読むと、書店の裏事情が理解できます。
本好き・書店好きには、たまらない1冊です。
内容の一部ですが、
- 芥川賞・直木賞・本屋大賞対策
- SNS対策
- 著者サイン会などのイベント準備
- 本の置き方
などが描かれています。

書店に行くだけでワクワクする方に、とってもおすすめしたい1冊です。
芥川賞・直木賞のノミネート作品が発表されると、ノミネート本の売れ行きが急増します。
欠品がないように対策をしなければなりません。
本屋大賞も有名です。
本屋大賞は、文学者などの選定委員が決定する芥川賞や直木賞とは異なり、一般の書店員が選ぶ賞です。
最近は、芥川賞や直木賞よりも、本屋大賞がメディアで取り上げられることが多いですよね。
やはり、欠品がないように対策をしなければなりません。
くわしくは、下をご覧ください。
また、SNSがすっかり生活に溶け込んでいる現在。
インフルエンサーが投稿した本が、急に売れる現象もあるようです。
これは予測がつきにくくて大変そう。
そして、超大手の本店ですから、知名度が高い著者のサイン会が開催されることがあります。
かなりの有名人の場合、警備がとても大掛かりになります。
さらに、本の置き方も重要なのだそうです。
お客さんの目を惹きつけて、本を買ってもらうにはどうしたらよいのか、書店員の勝負どころです。
もっとたくさんの出来事が描かれていますが、大型書店ならではの裏事情がたくさん書かれていて、とても楽しく読むことができます。
書店は情熱的な人の集まり(?)
書店員とは、本が好きだから書店に就職し、読書が趣味のおとなしめの方が多いイメージがありました。
しかし、この本に登場する人たち(本の販売員・仕入担当者・出版会社の営業社員など)は、本に対して、とても情熱的です。
「この本は絶対おもしろいから、売りまくりたい!」「ものすごい新人作家が登場した!」など、とにかく一生懸命な人ばかりです。
決して地味な業界ではないように感じました。
とは言え、やはり書店業界は不況です。
同業他社の垣根を超えて、ライバル書店員と手を組み、生き残っていくために切磋琢磨しています。
それを本の出版会社が、しっかりと支えています。

書店業界・出版会社は、熱い情熱を持った人の集まりですね。
書店員の熱い思いが伝わってきました。
書店の必要性とは・・・
町から書店が減っています。
小さな町では、1件も書店がない町まであるそうです。
私自身も、電子書籍を読むことが多くなり、書店に行く回数が減っていますが、やはり書店は必要な場所なのではないでしょうか。
電子書籍にはない書店の良さがあります。
くわしくは、下をご覧ください。
書店は、情報発信基地の役割もあります。
現在は、SNSが、その役割を果たしているのは事実です。
しかしSNSに流れる情報は、あなたが興味のある情報しか流れないしくみです。
つまり、全く検索したことがない(興味がない)情報は流れません。
興味があること以外の情報は、自分で取りに行くしかありません。
今も昔も変わりません。

書店は「情報発信基地」ではないでしょうか。
書店に並んでいる本を眺めているだけで、たくさんの情報が入ってきます。
最近の世相や流行、ベストセラーなど。
興味がない本を買う必要はありません。
読みたいな、と直感した本だけ買えばよいのです。
「あのとき売った本、売れた本」を読んで、「書店はなくなってほしくない!」と改めて強く実感しました。

今度、紀伊國屋書店に行こうかな?
紀伊國屋書店は、取り置きができます。
【おまけ】〈老舗書店「有隣堂」が作る企業YouTubeの世界〉は、神奈川県の老舗書店有隣堂社員たちのリアルストーリーです。
文字のみなので、画面が白黒の端末で読むのがおすすめ
(時々マンガもあり)