「水車小屋のネネ」津村記久子(本屋大賞ノミネート)感想・レビュー

「水車小屋のネネ」アイキャッチ

 2024年の本屋大賞2位の「水車小屋のネネ」を読みました。

この本の感想・レビューをお伝えします。

毎日新聞で連載されていた小説です。

レビューに「おもしろかった」「よかった」という書き込みがとても多かったので、つられて読んでしまいました。

心が落ち着く、とてもよい本です。

文字のみなので、画面が白黒の端末で読むのがおすすめ

あきぶどう

表紙のイラストと色使いが、とてもかわいい本です。

「水車小屋のネネ」感想・レビュー

水車小屋の写真

「水車小屋のネネ」の感想・レビューは、

  • 長編小説なので時間が必要
  • 主人公姉妹と優しい人たちの物語
  • 少し田舎の風景が思い浮かんで癒やされる
  • 優しい人たちと少し田舎で生活する将来は、きっと優しい

では、1つずつ説明していきますね。

長編小説なので時間が必要

約500ページにもなる長編小説です。

ここまで長い本を久しぶりに読みました。

本がとても分厚いです。

一気に読む必要はありませんが、少しだけ読んで1ヶ月後に続きから読み始めると、今までの内容を忘れているかもしれません。

毎日少しずつ読んでもよいのですが、途中で全く読まない空白期間を作らないことです。

  • 一気に読む時間がある時
  • 少しずつでも、着実に読み進めることができる時

に読むことをおすすめします。

忘れている女の人のイラスト

長編小説なので、一気に読める時や、少しずつでも着実に読み進められる時に読むのがおすすめです。

心が暖かくなる穏やかな小説です。

読了後は、自分も優しい気持ちになれるような気がしました。

さらに、登場人物たちに、励まされたような気がします。

主人公姉妹と優しい人たちの物語

「水車小屋のネネ」の主要登場人(鳥)物は、10歳違いの姉妹とヨウムという種類の鳥のネネです。

姉妹が町に引っ越してからの40年間を描いた長編小説となっています。

大きな事件や出来事があるお話ではありません。

淡々と時が過ぎていく40年の物語です。

姉妹の周囲の人々は、とても穏やかで優しい人たちです。

  • 姉のバイト先の家族
  • 妹の学校の先生
  • 妹のクラスメイト
  • 妹のクラスメイトの親
  • 婦人会の人たち

などが登場します。

順調な人生を過ごしている人ばかりではありません。

心に傷を抱えた人がたくさん登場します。

それぞれの人が、それぞれの立場で相手を思いやったり、手助けをしながら同じ地域で生活しています。

この優しさにホッとします。

親切な人に囲まれて生活していると、自然と人に優しくなれるような気がします。

同じ地域で、周りの人たちと一緒に優しく過ごせる毎日はステキです。

仲間のイラスト

同じ地域の人と一緒に、優しく生活できる関係は、ステキです。

ちょっとした出来事が、後の大きな転機のきっかけになることがあります。

転機のきっかけは、周りの人からの、おせっかいやアドバイスかもしれません。

この物語の登場人物は、周囲のおせっかいやアドバイスが、人生の大きな転機になっています。

その転機が、全ていい方向へ向かっていくのです。

みんながいい方向へ向かう関係は、おせっかいされた人も、おせっかいをした人も、居心地がよいはずです。

少し田舎の風景が思い浮かんで癒やされる

「水車小屋のネネ」の舞台はどこなのでしょう。

地名は一切出てこないので、どこかはわかりません。

どうやら都会ではなさそう。

少し田舎の地域のようです。

  • 水車小屋がある
  • 沿線の近い駅が宿場町
  • 山登りで訪れる人がいる
  • 電車で急行が止める駅まで行けば、大きなお店や映画館がある
  • 妹の学校の手続きに「役場」へ行く
    (「役所」ではない)

という場所です。

都会の目まぐるしい環境から離れた、ゆったりとした日常があるような気がします。

田舎のイラスト

穏やかな場所で生活していると、心も穏やかになるのでしょうね。

登場人物の穏やかさにホッとするのですが、主人公姉妹が生活している場所の情景が思い浮かんで、癒やされました。

優しい人たちと田舎で生活する将来は、きっと優しい

「水車小屋のネネ」の登場人物は、主人公姉妹をはじめ、心が優しい人たちばかりです。

優しい人たちが、都会の喧騒からは、少し離れた場所で生活しています。

程よい距離感で周囲の人を支え、時には自分も支えてもらいながら、毎日を送っているのです。

優しい人たちに囲まれつつ、恩返しをしながら生活していく将来は、きっと優しいものになるはずです。

一人暮らしの女の人のイラスト

優しい人たちに囲まれて、恩返しをする生活の後は、きっと優しい将来が待っています。

自分を振り返ると、いつも人に優しくしています、とは言いにくいのですが、毎日の積み重ねが将来につながるのだろうな、と感じています。

毎日の生活は、1年後、5年後、10年後につながります。

1日1日を穏やかに優しく過ごせた将来が、少しでもよくなっていきますように・・・。

あきぶどう

人に優しく、自分にも優しく、そして将来も優しくしたいです!

【おまけ】

2024年本屋大賞翻訳小説部門第1位の「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」も載せています。「水車小屋のネネ」と似た余韻に浸れる1冊です。

「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」アイキャッチ

2024年本屋大賞ノミネート作品の「スピノザの診察室」も、心が温まる小説です。

「スピノザの診察室」感想・レビューアイキャッチ

2024年本屋大賞受賞作の「成瀬は天下を取りにいく」も載せています。

「成瀬は天下を取りにいく」アイキャッチ

「ブックレコメンド」にレビューを載せていただきました。

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