「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」(韓国語・本屋大賞ノミネート)感想・レビュー

「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」アイキャッチ

2024年の本屋大賞で翻訳小説部門第1位の「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」を読みました。

この本の感想・レビューをお伝えします。

著者はファン・ボルムさんという韓国の方です。

当然ですが、原作は韓国語です。

隣の国とは言え、日本ではない国の方が書かれた本。

文化の違いもあるだろうし、内容を理解できないのではないかと思いつつ読み始めましたが、日本人の私でも、ちゃんと理解できました。

そして、レビューでは、とても高い評価のコメントが多い本です。

文字のみなので、画面が白黒の端末で読むのがおすすめ

あきぶどう

表紙の色使いが、とてもかわいいです!

「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」感想・レビュー

書店・本屋の写真

「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」の感想・レビューは、

  • 長編小説だが、章で区切られて読みやすい
  • ヒュナム洞書店に行きたくなる
  • 挫折や疑問を持っている人たちに共感できる
  • 少しずつ変化していく人たちに共感できる

では、1つずつ説明していきますね。

長編小説だが、章で区切られて読みやすい

約350ページもある長めの小説です。

しかし、細かく章で区切られているので、少しずつ読み進めることができます。

久しぶり読書のリハビリ本にも向いています。

でも、少しだけ読んで1ヶ月後に続きから読み始めると、今までの内容を忘れているかもしれません。

少しずつ進めてもよいのですが、途中で全く読まない空白期間を作らないことです。

読書をしているネコとうさぎのイラスト

途中で間があくと、内容を忘れてしまいます。少しずつでも確実に読み進めるようにしてください。

悩みや不安を抱えている登場人物が、物語の最後に変化していきます。

変化していく様子に共感できて、彼らに励まされたような気持ちになりました。

ヒュナム洞書店に行きたくなる

物語の舞台は「ヒュナム洞書店」という書店です。

日本の書店とは、少し違っているようです。

違いは、

  • (注文すれば有料の)コーヒーが出されて、中で本を読むことができる
  • 定期的に読書会やイベントが開催される

専門のバリスタが、こだわりのコーヒーを淹れてくれます。

そこでじっくり本を読むことができます。

さらに、定期的に読書会が開催されます。

(それほど売れていないらしい)作家が登場するイベントも、時々開催されます。

とても充実している書店のようです。

最近は、日本でも同じような書店があるようですが、ごく限られた大型書店だけではないでしょうか。

「ヒュナム洞書店」は、それほどの大型書店ではなさそうです。

小さなお店なのに、本を読む環境が充実しています。

落ち着いた店内の様子が想像できます。

このような場所で、一日じっくり本を読んでいると、心も体も落ち着いて、ぜいたくな時間を過ごせそうです。

もちろん実在の書店ではありません。

ですが、一度行ってみたくなりました。

書店員のイラスト

「ヒュナム洞書店」に一度行ってみたくなりました。韓国語はわかりません・・・。

本を読んでいる時間は、余計なことを忘れて、本の世界に集中できます。

小さな落ち着いた書店で、ゆったりとした時間を過ごしてみたいです。

挫折や疑問を持っている人たちに共感できる

「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」の登場人物は、決して成功者ではありません。

挫折を経験した人や、これからの人生に疑問を持っている人ばかりです。

  • 離婚をした人
  • 夫婦関係に悩んでいる人
  • 就職活動に失敗した人
  • 契約社員の雇用形態に悩んでいる人
  • これからの人生に悩んでいる人

このような悩みは、多くの日本人が持っているのではないでしょうか。

悩み事は、韓国人も日本人も同じ。

もしかしたら、根っこが同じなのかもしれません。

同じような悩みを持っているからこそ、読んでいて違和感がなかったのかも。

とても共感ができたのは、登場人物の悩みが理解しやすかったからでしょう。

ため息をついている女の人のイラスト

韓国の人も日本の人も同じような悩みを抱えているのかも。これが共感できた理由です。

自分や友達の出来事のように、読み進めることができました。

少しずつ変化していく人たちに共感できる

悩みや迷いを持っている登場人物が、物語を読み進めるにつれて、少しずつ変化していきます。

周りの人のおかげで状況が変わった人もいれば、自分自身で状況を変化させた人もいます。

この変化の仕方に、とても共感できます。

喜んでいる女の人のイラスト

大きな変化はありませんが、少しずつ変化していく人たちの思いや決意が共感できます。

ヒュナム洞書店という落ち着いた空間で関わっていく人たち。

程よい距離感で、アドバイスをしたり、悩みを相談しあったり、ただグチを聞くだけの時もあります。

少しずつ何かが変化していく登場人物に共感できました。

変化していく様子に、「あなたも、この先きっといいことがあるよ」と彼らに励まされたような気持ちになります。

私の毎日も、彼らのように、自分でも気がつかないくらいの速度で、ゆっくりと少しずつ変化しているのでしょう。

1年先、2年先が、少しずつよい方向へ変化していきますように・・・。

あきぶどう

ゆっくりと少しずつ、よい方向へ向かっていく毎日にしていきたいです。

【おまけ】

2024年本屋大賞2位の「水車小屋のネネ」も載せています。「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」と似た余韻に浸れる1冊です。

「水車小屋のネネ」アイキャッチ

2024年本屋大賞受賞作の「成瀬は天下を取りにいく」も載せています。

「成瀬は天下を取りにいく」アイキャッチ

「ブックレコメンド」にレビューを載せていただきました。

にほんブログ村 にほんブログ村へ