岩井圭也さん著書の「夜更けより静かな場所」を読みました。
この本の感想・レビューをお伝えします。
古書店で開催される読書会によって、本を読む楽しさを見つけていく主人公たちの短編小説集です。
同じ読書会に集まる人たちを主人公にしており、1冊を通して1つの物語として読めます。
しばらく読書から遠ざかっている方に、特におすすめです。

とても穏やかで優しい小説です。
「夜更けより静かな場所」感想・レビュー

「夜更けより静かな場所」の感想・レビューは、
- 読書会の楽しさ・本を読む楽しさが伝わってくる
- 読書会に行きたくなる
- 読書は悩みを軽くする
では、1つずつ説明していきますね。
読書会の楽しさ・本を読む楽しさが伝わってくる
「夜更けより静かな場所」は、大学生の主人公、吉乃が伯父の経営する古書店を訪れる場面から始まります。
伯父に勧められた本を読了し、読書の楽しさにのめり込んでしまいます。
読書にのめり込んでいく様子が、文章を通してどんどん伝わってきます。
とてもリアルで、きっと著者の岩井圭也さんも本を愛している方なのだな、と実感できます。

読書にのめり込んでいく様子が、文章を通してどんどん伝わってきます。
普段から読書をする方、最近はご無沙汰だけど本を読む時間がないだけ、など読書習慣がある方なら、共感できる部分が多いはずです。
主人公たちが読む本のジャンルは「小説」「ノンフィクション(エッセイ)」です。
ビジネス本しか読まない方は、共感しづらいかもしれませんので、ご注意ください。
読書会に行きたくなる
最近は、いろんなタイプの読書会が開催されています。
開催場所は、書店のイベントスペースやカフェなどが多いようですね。
- 課題本を読んで参加する読書会
- テーマ(著者・◯◯受賞作品やノミネート作品など)が決まった本を読んで参加する読書会
- 何でもよいから本を読んで語り合う読書会
「夜更けより静かな場所」の読書会は、課題本を読んで参加する読書会です。
メンバー全員が同じ本を読了しているので、熱く感想を語りあうことができます。
参加条件は、読書会に行くまでに課題本を読み終えることです。
過去に、私は何でもよいから本を読んで語り合う読書会に参加したことがあります。
このタイプの読書会は、メンバーに本の紹介をするのがテーマでもあります。
読書会のテーマも、いろいろありますね。

「夜更けより静かな場所」は、課題本を読んで参加する読書会がテーマです。
読書会で感想を語り合い、共感したり、そういう感想もあるんだ、と驚いたり・・・読む人によって感想もたくさんあることを教えてくれます。
「読書会って楽しそう」と、参加したくなるかもしれません。
すでに参加したことがある方は、また参加したくなるかもしれません。
読書は悩みを軽くする
あなたは、本を読んでどんな効果がありますか。
- ビジネス本を読んで、実生活に役立てる
- 普段の生活とは違う世界観を感じたくて、小説を読む
- 著者の考えに共感したくて、エッセイを読む
などなど、読む目的はいろいろあるでしょう。
人と比べることではありません。
あなただけの目的にあう本を読めばよいのです。
「夜更けより静かな場所」で読書会に参加したメンバーは、それぞれに悩み事を抱えています。
本を読み終え、読書会に参加した後は、少しずつ悩み事がよい方向に変化します。
読書しただけで、すぐに悩みが解決するのではありません。
そもそも読書とは即効性があるものではないのです。
「悩みが少し軽くなるかもしれない」・・・その程度のことですが、少しでもよい方向に進めばよいですよね。

登場人物たちが本を読み終え、読書会に参加した後は、少しずつ悩み事が変化します。
「起業したいけど、方法がわからないから経験者が書いた本を読む」のように、具体的な目的で読書をすることもありますね。
一方、小説やエッセイは、ほとんど即効性がありません。
せいぜい気分転換になるくらいでしょう。
しかし、あなたが去年読んだ小説の主人公と同じ状況になり、主人公と同じ行動をすることで、問題解決になるかもしれません。
問題解決はしなくても、少しでもよい方向に向かうかもしれません。
「タイパ」重視の世の中とは、逆を行っていますが。
読書を「ノイズ」に例え、即効性がないと説明した本はコレ!
気分転換ができ、悩みが軽くなるかもしれない読書を、私も続けていこうと改めて思いました。

ほとんどの読書は、即効性がありません。
文字のみなので、画面が白黒の端末で読むのがおすすめ