ベストセラーであり、数々のランキング上位を記録し、2025年新書大賞を取った「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読みました!
この本の感想・レビューをお伝えします。
今さら説明するまでもないかもしれませんが、まだ読んでいない方は参考にしてください。


読書に限らず、趣味に置き換えて読むこともできます。
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」感想・レビュー

「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の感想・レビューは、
- 映画「花束みたいな恋をした」を観てからがおすすめ
- 「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の答えは最後
- 明治時代以降の読書と労働の関係性が理解できる
- これからの読書と労働の関係性はどうなる?
では、1つずつ説明していきますね。
映画「花束みたいな恋をした」を観てからがおすすめ
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」を読む前に、映画「花束みたいな恋をした」を観てから読むのがおすすめです。
なぜかと言われそうですが、たびたび説明に、「花束みたいな恋をした」の主人公が例に挙げられています。
この映画も主人公カップルの趣味と仕事がテーマになっており、本のテーマとよく似ています。
というよりも、メインテーマが全く同じです。
映画は必須でありませんが、観た方が本の理解が深まります。
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の答えは最後
ベストセラーですが、「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の答えは最後までわかりません。
実用書のように、最初にわかりやすく答えが書かれていないのです。
しかし最後まで読むと、答えが見えてきます。
読書と労働(趣味)は、どちらもたくさんの時間を必要とします。
- 読書は、ゆっくり時間をかけて本を読む
- 労働は、一日の大半の時間を消費する
たくさんの時間を必要とする、この2つの関係性を説明している本です。

「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」の正解は最後にわかります。
最後まで正解がわからないにも関わらず、ベストセラーになっているのは、明確な理由があります!
明治時代以降の読書と労働の関係性が理解できる
本の販売が始まる(印刷技術が進んだ)のも、今のような働き方が始まる(会社へ出勤し、給料を受け取る働き方)のも、明治時代からだったそうです。
明治時代から現在までの読書と労働の歴史が書かれています。
読書は文学史、労働は日本史を学校で習いますが、この2つを比べながら1冊の本で読むのは初めてでした。
こういう本は、あまりありません。
専門書にあるのかもしれませんが、私は初めて読みました。
ところで、読書をする目的は何なのでしょう。
教養を身につけるために本を読む→仕事に活かす
ですね。
読書と労働は深い関わりがあります。
読書の目的は、もう1つあります。
趣味・娯楽のために本を読む→仕事に活かせなくても構わない
という目的もありますね。
趣味の時間を作ることが、仕事への活力になります。
読書をするためには、労働時間と向き合うことが必要です。

明治時代以降の読書と労働を比べることで、働いていると本が読めなくなる理由を探る本です。
明治時代から現代にかけての読書と労働の事実が、とてもくわしく説明されています。
ここに、ベストセラーの理由があるのではないしょうか。
そして、読書と労働を比べることが、本のメインテーマです。
これからの読書と労働の関係性はどうなる?
読書環境と労働環境は、ここ10年くらいで、とても大きな変化をしています。
- 読書
スマホの普及ですぐに役立つ情報だけが手に入る
時間がかかる読書は必要なくなってきた - 労働
働き方改革が進み、残業をよしとしない社会になりつつある
会社員にならない働き方が選択肢になってきた
読書環境も労働環境も、大変化している世の中です。
自分から遠く離れた文脈に触れること-それが読書なのである。
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」より
読書は、すぐに役立つツールではありません。
すぐに役立つツールなら、SNSだけで十分です。
しかし、読書は自分と離れた文脈に触れ、考え、理解することで知識や教養を得ることができます。
SNSやGoogleとは反対のものです。
いつか自分につながってくる文脈なのかもしれない。
「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」より
読書で得られた内容が、すぐに役に立たないかもしれません。
しかし、いずれ役に立つ内容があるかもしれません。
サクッとスマホで調べた知識よりも、時間をかけた読書の知識の方が、頭に残っているのではないでしょうか。
すぐに調べることができるツールも必要ですが、同じくらい頭にしっかり残る知識も必要なはず。
読書時間がありつつ、仕事もしっかりこなせるような社会になってほしいものです。

ライフワークバランスを保てる世の中になってほしいです。

【おまけ】
同じく三宅香帆さんの【「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない】も載せています。
この本のあとがきに、「働きながら本を読むコツ」が書かれていて、私が過去に書いた記事と少し似ています。「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」さえ読む時間がない方の参考になれば幸いです。
文字のみなので、画面が白黒の端末で読むのがおすすめ