「生殖記」朝井リョウ おすすめ!感想・レビュー

朝井リョウさん著書の「生殖記」を読みました。

この本の感想・レビューをお伝えします。

2025年の本屋大賞ノミネート作品です。

とにかく今まで読んだことがない小説でした。

主人公、主人公が「彼」を見る目、彼の周りの人々・・・とにかく今まで読んだことがないことずくめです。

主人公が「彼」のことを、第三者目線で軽い口調で語るのですが、内容はずっしり重め。

「正欲」と同じく、多様性について深く考えさせられる1冊です。

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あきぶどう

読了後は、不思議な気持ちになりました。

「生殖記」感想・レビュー

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「生殖記」の感想・レビューは、

  • 小説というよりエッセイ
  • モヤモヤの原因がわかる1冊
  • 読了後はすっきりするが、問題解決の道のりは長そう
  • 中年世代以上に読んでほしい

では、1つずつ説明していきますね。

小説というよりエッセイ

「生殖記」は、尚成という男性の体にある一部分が主人公です。

そして人間のことを「個体」と呼びます。

1人・2人ではなく、1個体・2個体と呼びます。

主人公が、尚成を第三者目線で語ることで話が進みます。

主人公の考えや思いを語る場面が多く、小説というよりもエッセイみたいだな、と感じました。

起承転結があるわけでもなく、犯人が捕まるわけでもありません。

主人公の考えや想いなのですが、おそらく著者である朝井リョウさんの想いもあるのだろうな、と。

「正欲」を読んだ後で「生殖記」を読むと、それを強く感じます。

読書のイラスト

物語というよりは、エッセイのような感じがしました。

主人公の語り口調が軽めで、最後まで読みやすいです。

モヤモヤの原因がわかる1冊

主人公がひっついている(?)尚成は、子供の頃から生きづらさを抱えており、いわゆる少数派に属する人物です。

ほとんどの方は、少数派ではなく大多数派に属して生活をしているでしょう。

しかし大多数派に属していて、本当にモヤモヤすることはないのでしょうか?

「その意見には、なんか違和感があるんだけど」「ほとんどの人はそうなんだけど、そうではない人もいるよね」などと思う機会が多い方は、「生殖記」を読むと、モヤモヤの原因がわかるかもしれません。

このあたりも、「正欲」に似たものを感じる部分かもしれません。

思いついた男の人のイラスト

大多数派に属して生活していても、モヤモヤした気持ちになる時がある方は、その原因がわかるかもしれません。

モヤモヤの原因がわかってすっきり!と行きたいところですが、この問題はとても根深いのです。

読了後はすっきりするが、問題解決の道のりは長そう

「生殖記」は、尚成が抱えている生きづらさが解決しそうな場面で終わります。

あくまでも解決の糸口であって、すっきり解決したのではありません。

ミステリー小説のように、犯人がわかってすっきりとはいきません。

根深い問題でもあるし、大多数派の人たちの意識も変えていく必要があります。

はっきりと問題提起をしてくれたことはすっきりするのですが、問題解決ができないモヤモヤが残り、読了後は不思議な気分になってしまいました。

考える男の人のイラスト

読了後は、不思議な気分になりました。

「多様性」などと言われて久しい昨今。

様々な価値観があってもよいではないか、と言われる現代において、中年世代以上の方におすすめしたい1冊でもあります。

中年世代以上に読んでほしい

 「生殖記」著者の朝井リョウさんについて調べました。

朝井 リョウ(あさい リョウ、男性、1989年5月31日 )は、日本の小説家、ラジオパーソナリティ。2013年、『何者』で第148回直木三十五賞受賞。直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少者。

Wikipedia「朝井リョウ」より一部抜粋

さらに、「LGBT」についても調べました。

「LGBT」という言葉は、辞典等に、1990年代から使われはじめたと解説があった。日本では2000年代から、新聞記事、図書・雑誌等のタイトルに使われている。

「レファレンス協同データベース レファレンス事例詳細」より一部抜粋

朝井リョウさんが生まれてすぐの頃から「LGBT」という言葉が辞典に登場し、小学生の頃から新聞記事や本、雑誌などで使われ始めています。

おそらく子供の頃から聞き覚えがあり、意味を理解できているでしょう。

学校の授業で取り上げられた経験をお持ちかもしれません。

一方、中年世代以上の方はどうでしょう。

2000年頃はすでに大人になり社会人だった世代は、聞いたことはあるもののなじみがない概念ではないでしょうか。

パートナーシップのイラスト

「LGBT」という言葉が広く世間で使われるようになったのは、2000年代です。

 中年になると、「今の若い人は・・・」などと言ってしまうことが多いもの。

しかし、この数十年の価値観や考え方の変化は、ものすごく激しいものがある気がします。

道半ばかもしれませんが、若い方たちが理解できている価値観を、中年世代も理解する必要がある気がしてなりません。

「生殖記」は、中年世代だからこそ、おすすめしたい1冊です。

あきぶどう

今どきの若者は、などと言って、時代に取り残されないようにしたいものです。

朝井リョウさんの「正欲」については、下をご覧ください。

「正欲」朝井リョウ感想・レビューアイキャッチ

【おまけ】同じく朝井リョウさんの「イン・ザ・メガチャーチ」も載せています。

「イン・ザ・メガチャーチ」感想・レビューアイキャッチ

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