「泊日文のおひとりさまノート」は、長月天音さん著書の文庫本です。
この本の感想・レビューをお伝えします。
ひとり暮らしをしている主人公の泊日文が、日々の日記ノートを書き上げる物語。
そして、大人の友達の作り方を教えてくれる1冊です。
ささやかな毎日で、少しずつ小さな関係を作り上げる日文。
おひとりさまでなくても、人とのつながりを増やす大切さがわかります。
長月天音さん著書の本は、この他に「ほどなくお別れですシリーズ」や「キッチン常夜灯シリーズ」などがあります。


表紙のイラストが、とてもかわいい本です。
「泊日文のおひとりさまノート」感想・レビュー

「泊日文のおひとりさまノート」の感想・レビューは、
- 定食屋で食事をする人は、店員さんに見られている
- 日記を書くことは大切
- コミュニティーを増やすことの大切さを痛感した
では、1つずつ説明していきますね。
定食屋で食事をする人は、店員さんに見られている
おひとりさまアラサー女子の泊日文は、「小日向食堂」という定食屋で働いています。
定食という日々の食事を提供するお店だからか、常連のお客様が多い特徴があります。
日文と同じようなおひとりさまも多そうです。
日文をはじめ、お店のスタッフたちは、お客様のことをとてもよく観察しています。
- ひとりで来るか、そうでないか
- 何曜日・何時頃に来店するか
- 何をオーダーするか
など。
確かにこれらがわかると、その人の生活ぶりが透けて見えてきます。
著者の長月天音さんは、飲食業界で長年お仕事をされた経験があるとか。
だからこそのお客様に対する描写なのでしょう。
店員さんはお客様を観察しているのですね。
私も、お店でおかしなことをしてはいけないな、と考えてしまいました。

店員さんは、お客様を観察しています。私も気をつけよう・・・。
自分の振る舞いを常に客観的に見る目を持つことは、とても大切です。
日記を書くことは大切
タイトルに「おひとりさまノート」とあるように、日文は、気がついたことや大切なことをノートに記録していきます。
思いついた時に1冊のノートにまとめると、記憶もできるし、何か起こった時に見直すことができますね。
日記は毎日書かなくちゃいけないから無理、となりそうですが、ノートと聞けばできそうな気がします。
思いついた時に書けばよいのですし。

気がついたことや大切なことだけを記録するノートを1冊作るのは実行できそうですし、今後に役立ちそうです。
ノートが無理なら、スマホに記録してもよいかもしれません。
私も実践してみようかな。
コミュニティーを増やすことの大切さを痛感した
日文は、同士とも呼べる男性が同じマンションに住んでおり、何かと助けてもらえました。
しかし、彼がマンションから引っ越してしまい、頼れる存在がいなくなってしまったのです。
そこで、身近な場所から知り合いを作り、コミュニティーを増やしていきます。
身近な場所とは、職場の同僚、ご近所さんやよく行くお店のマスターなど、無理をしない範囲です。

昨今の人間関係は、「コミュニティーをたくさん作ることが大切」と言われています。
昔は家族や会社が、その役割を担っていたのでしょう。
しかし、ひとり暮らしをする人が増え、会社の雇用形態が多様になってきた現在、家族や会社だけで全ての役割は保てなくなっています。
そこで言われているのは、「コミュニティーを増やし、使い分けをすること」です。
コミュニティーは、お金をかけて、どこかに入会する方法だけではありません。
もちろん習い事や趣味のコミュニティーに入会してもよいですし、家族や会社も立派なコミュニティーでしょう。
ご近所さんやなじみのお店の店員さん、趣味の集まりもコミュニティーです。
いろんな人と関わりを持ち、自分を客観的に見つめる機会を増やすことが、心の平和を保つことにつながっていきます。

「コミュニティーをたくさん作ることが大切」なのは、昨今の特徴かもしれません。
日文のように、小さいつながりとたくさん作ると、家族とケンカしたり、転職しても他がある、と思えてきます。
リスク分散にもなります。
コミュニティーの増やし方、知り合いの作り方を日文に教えてもらえました。
「泊日文のおひとりさまノート」は、おひとりさまでなくても、今を生きる私達に大人の友達(小さいつながり)の作り方を教えてくれます!

コミュニティーをたくさん作るべし!

【おまけ】同じく長月天音さん著書の「キッチン常夜灯シリーズ」も載せています。
文字のみなので、画面が白黒の端末で読むのがおすすめ