エッセイストの佐藤愛子さん著書「90歳何がめでたい」を読みました。
この本の感想・レビューをお伝えします。
草笛光子さん主演で、映画館上映されています。
たくさんのレビューで「面白い」と、コメントされていますが、本当に面白い本です。
佐藤愛子さんは、過去にたくさんの書籍を出版されています。
ずいぶん昔、愛子さんの本を何冊か読みましたが、久しぶりに読みました。
アハハ・・・と笑える1冊です。
「九十歳。何がめでたい」はAmazon PrimeVideoで配信中
「九十歳。何がめでたい」 は、Amazon PrimeVideoで配信されています。
別途料金が必要です。(2025年1月現在)
では、原作本の感想・レビューをお伝えしますね。
「九十歳。何がめでたい」感想・レビュー
「九十歳。何がめでたい」の感想・レビューは、
- すぐに読める
- とにかく面白い!
- 笑える話ばかりではない
では、1つずつ説明していきますね。
すぐに読める
「九十歳。何がめでたい」は、雑誌「女性セブン」に連載されていたエッセイを本にまとめたものです。
雑誌のエッセイなので、文章もコンパクトにまとめられています。
読書だからと堅苦しくなく読み進めることができます。
速い人なら、半日で1冊全てを読み終わります。
久しぶり読書のリハビリ本としてもおすすめです。
エッセイと一緒に、著名人との対談集もたくさん記録されています。
もともとは雑誌のエッセイです。決して難しい本ではありません。
2016年から女性セブンに連載されていたそうです。
連載時期は、2016、7年から2021年の東京オリンピックの頃まででしょうか。
時事問題に触れていますが、おおむね愛子さんが思ったことや考えたことがまとめられています。
とにかく面白い!
たくさんのレビューに書かれているのですが、とにかく面白いです!
クスッと笑うというよりも、ゲラゲラ笑うという感じ。
愛子さんは、面白く書こうと意識しているのではなく、思ったことを率直に書かれているのではないでしょうか。
だからこそ、ゲラゲラと笑えるのかもしれません。
漫画ではないのですが、ゲラゲラ笑える本です。
愛子さんの女学校時代は、戦争がありました。
戦後に同窓会で再開した旧友たちや、同世代の著名人との対談で、戦時中のエピソードが登場します。
当時のことを書いた本は、とにかく重くて暗い内容が多いもの。
しかし、「九十歳。何がめでたい」は、戦時中のエピソードさえも笑えてしまいました。
とても面白いのですが、ただ面白おかしいだけではありません。
笑える話ばかりではない
面白い本であることに間違いないのですが、ただ面白いだけではありません。
90歳の著者ならではの、私達世代の耳に痛いお言葉が、たくさん散りばめられています。
「文明の進歩」は我々の暮し豊かにしたかもしれないが、それと引き替えにかつて我々にあった謙虚さや感謝や我慢などの精神力を摩滅させて行く。
「九十歳。何がめでたい」より
ここ数十年で、インターネットが普及し、多くの人がスマホを持つようになりました。
生活が便利になった一方で、失われていくものがあるね、とおっしゃっています。
私が10代の頃は、まだインターネットというものが存在していませんでした。
その頃のことを考えると、うーん・・・と言葉が重くなってしまいます。
もっと若い方は、比べることさえもできないのでしょうが・・・。
生活が便利になった一方で、失われたものがあるかもしれません。耳に痛い言葉です。
愛子さんは、私の両親よりも上の世代です。
しかし、彼女の考えや思いを読んでいると、私の両親は、こんなことを考えているのかなあ、と少しわかるような気がします。
その理由は、愛子さんと私の両親が、同じようなことを言っているからです。
話す機会が多い両親との会話は、短い言葉だけで会話をしてしまいます。
しかし、愛子さんが、きちんと文章で書かれている言葉を読んでいくと、両親はこんなことを考えて話しているのだなあ、と想像できるのです。
もっと若い世代の方なら、おじいさんやおばあさんに当てはめると、わかりやすいかもしれません。
「90歳。何がめでたい」は、ただ面白いだけではなく、耳に痛い言葉も、たくさん書かれている1冊です。
そして続編もあります。
続編「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」
「九十歳。何がめでたい」の続編は「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」です。
同じく「女性セブン」の連載です。
内容に大きな違いはありません。
実質2冊で1冊のような本です。
Amazon Kindle本では、この2冊と「人生は美しいことだけ憶えていればいい」も追加して3冊をセット販売しています。
セット割引はありません。(2024年6月現在)
「九十歳。何がめでたい」と「九十八歳。戦いやまず日は暮れず」の2冊が、映画の原作です。
佐藤愛子さんは、現在は100歳を超えたそうです。
【おまけ】佐藤愛子さんと同世代、瀬戸内寂聴さんのエッセイも載せています。
文字のみなので、画面が白黒の端末で読むのがおすすめ