図書館で本を借りるとき、たくさんの本の中から借りたい本を探さなくてなりません。
どうやって探せばよいのでしょうか。
それは、実際に図書館で使う本の分類方法を知ることです。
図書館で本を分類する方法を知れば、本探しが速くなります。
さらに「図書館で本が見つからない」を防げます。
昔、分類方法を勉強したよ。
図書館は検索機がある!
ほとんどの図書館は、検索機が置いてあります。
借りる本のタイトルや著者が決まっているなら、検索機で探しましょう。
本のジャンルや本棚の場所が検索されます。
タイトルや著者が決まっているなら、検索機で探せます。
では、「小説を借りたい」「カレーのレシピ本を借りたい」など、ジャンルだけが決まっているなら、どうやって探せばよいのでしょう。
図書館は「日本十進分類法」で本をジャンル分けして、本棚に収めています。
この「日本十進分類法」について、説明していきますね。
「日本十進分類法」とは?
「日本十進分類法」は、日本図書館協会が決めたジャンルの番号で、本を分ける方法です。
この番号を元に、決められた本棚に収めます。
「NDC分類」とも言われます。
一覧表があり、これを網目表・細目表とも言います。
下のようになっています。
0. 総記 | 5. 技術・家庭・工業 |
1. 哲学・宗教 | 6. 産業 |
2. 歴史・地理 | 7. 芸術・体育 |
3. 社会科学 | 8. 言語 |
4. 自然科学 | 9. 文学 |
この番号は、図書館の本全てに書かれています。
図書館で本を借りると、背表紙にラベルシールが貼ってありますね。
□で囲った部分です。
見たことがありますね。
あのラベルの番号は、図書館独自で決めたのではありません。
ほとんどの公立図書館では、NDC分類で本を分類して、本棚に収めています。
つまり「日本十進分類法」を知っていると、図書館へ入ってすぐに、どこの本棚に行けばよいかわかります。
そして本を速く探せます!
3ケタか4ケタの番号で書かれている図書館が多いです。
時々、分類番号の改定が行われます。
最新版は2014年の新訂10版です。(2024年9月現在)
「日本十進分類法」は、最初の1ケタだけではありません。
後に続く2ケタ目、3ケタ目もジャンルが決まっています。
例えば、「9」は文学ですが、「91」は日本文学、「913」は日本文学の小説・物語、「914」は日本文学の評論・エッセイ・随筆となっています。
つまり、「本屋大賞受賞作で、日本人著書の本が読みたい」のならば、「913」の本棚を探すことになります。(「本屋大賞」は小説が対象です。)
日本人著者の小説は「913」、エッセイは「914」です。
図書館の本棚の上部や横に「9.文学」などと書かれているのを見たことがあるでしょうか。
アレが「日本十進分類法」の分類番号です。
「カレーのレシピ本」なら、「5.技術・工学・工業」、「59.家政学・生活科学」、「596.食品・料理」となります。
「596」の本棚を探しましょう。
2ケタ目、3ケタ目も日本十進分類法で決められた番号ですが、図書館司書でなければ、そこまで細かく覚える必要はないでしょう。
1ケタ目だけで十分です。
図書館司書は、「913」「914」などの、よく使う番号を覚えているはずです。
図書館でよく借りるジャンルがあるなら、その番号だけ覚えておくとよいかもしれません。
あの番号は、そういうことだったのかあ・・・。
よく図書館へ行く人は、覚えておくと便利かも。
公立図書館サイトで、NDC分類で本を検索できる自治体があります。
お住まいの自治体のサイトでも検索できるかもしれません。
また「日本十進分類法」でググると、たくさんの一覧表が検索されます。
興味がある方は、ぜひご覧になってください。
NDC分類は、たくさんの本を整理するのに便利ですが、完璧ではありません。
どういうことなのでしょう。
「日本十進分類法」のデメリット
「日本十進分類法」は完璧ではありません。
その理由は「2つ以上のジャンルに分けられる本がある」からです。
例えば「世界の自動車の歴史」について書いた本があるとします。
この場合、
- 技術・家庭・工業は「5」
機械工学・原子力工学は「53」
自動車工学は「537」 - 歴史・地理は「2」
歴史・世界史・文化史は「20」
世界史・文化史は「209」
のように、2つのジャンルに分けることができます。
この場合は、それぞれの図書館の判断で、どちらかに分類するようです。
図書館によって違うならば、もう司書に聞くしかありません。
わからなければ聞きましょう。
「日本十進分類法」のデメリットは、分け方が2つある本が存在することです。
「日本十進分類法」のジャンル分けは、本屋では見かけませんね。
本屋も図書館も、同じように、たくさんの本が並んでいます。
では、両者の分類方法の違いは何なのでしょうか。
本屋と図書館 分類方法の違い
本屋と図書館は、同じようにたくさんの本が並んでいますが、分類方法が違います。
本屋
- 新刊・大きさ・出版社ごとに分けられる
図書館
- 「日本十進分類法」でジャンル分けがされる
例えば、「本屋大賞受賞作で、日本人著書の本を探す」とします。
本屋は、新しく入った本や話題の本が目立つ場所に陳列され、しばらくすると一般の単行本売り場へ、文庫化されると文庫本売り場へ陳列されます。
本屋大賞受賞作は、おそらく売れる本ですから、受賞直後は入り口付近、しばらくすると単行本売り場、文庫化されると文庫本売り場に並ぶでしょう。
くわしくは、下をご覧ください。
一方、図書館は「日本十進分類法」でジャンル分けをするので、最初から「日本文学の小説・物語」のNDC分類「913」の本棚に収められます。
本屋は、本を売るお店です。
たくさん売れる本は目立つ場所に置きたいし、同じ大きさの本、または同じ出版社の本で、まとめて陳列する方が効率よく並べられます。
図書館は、お店ではありません。
共通ルールで本を並べた方が効率よく並べられるのでしょう。
本屋は本を売るお店、図書館は無料でたくさんの人が本を読んだり、借りたりする場所です。目的が違うので、並べ方も違うのですね。
NDC分類を使っているのは、図書館だけではありません。
本の通信販売でも、検索方法に使われています。
本のネット販売も「日本十進分類法」で検索できる
「紀伊國屋書店ウェブストア」では、「日本十進分類法」すなわち「NDC分類」で検索ができます。
「紀伊國屋書店」では、100周年記念グッズに、たくさん本が入るバッグやポーチを販売しています。
たくさんの本を借りた後でも安心です。
100周年記念グッズは、店舗・ウェブストアの両方で買えます。
まとめ
- 「日本十進分類法」とは、
日本図書館協会が決めた本の分類番号
図書館で本を早く探せる
ほとんどの公立図書館・学校で使われている - 本屋と図書館では、本の分類方法が違う
本屋は新刊・大きさ別・出版社別
図書館は「日本十進分類法」
図書館で本をよく借りる方は、NDC分類を知っていると、早く目的の本を探せます。
分類表を貼ってある図書館は多いので、見かけたら確認して本を探しましょう。
特定のジャンルをよく借りるなら、その番号だけ覚えておくとよいかもしれません。
図書館は、NDC分類順で本が並んでいるんだね。
マニアックな番号だけど、よく行く人は覚えておくと便利。
図書館司書の資格を持っているんだよね。