「続窓ぎわのトットちゃん」が発売されました。
42年前に大ベストセラーとなった「窓ぎわのトットちゃん」が、アニメ映画化されることが決定しましたね。
小学生時代に「窓ぎわのトットちゃん」を読みました。
とてもかわいらししいお話で、トットちゃん(黒柳徹子さん)の通った学校に、私も通いたいと思ったものです。
「続窓ぎわのトットちゃん」も読みました。
感想・レビューをお伝えします。
ここから後の「トットちゃん」とは「黒柳徹子さんご本人」を指しています。
「続窓ぎわのトットちゃん」感想・レビュー
「続窓ぎわのトットちゃん」の感想・レビューは、
- 戦争中はとても苦労された
- 芸は身を助ける
- トットちゃんのデビューのきっかけを理解できた
では、1つずつ説明していきますね。
戦争中はとても苦労された
トットちゃんが小学生の頃に太平洋戦争がありました。
トットちゃんだけでなく、ご家族全員が、とても苦労されている様子が書かれています。
彼女自身も、成長期なのにも関わらず、食事を満足にとることができませんでした。
いますぐに、残りぜんぶを食べたくなった。でも、もしいまこれを食べてしまったら、家に帰ってから、なにも食べるものがなくなってしまう。
「続窓ぎわのトットちゃん」より
お父様は兵隊に行き、トットちゃんとお母様、兄弟たちは、東京を離れて疎開します。
大人はお母様一人・・・慣れない土地で、子どもたちを引き連れての生活はとても大変だったのではないかと想像します。
それも、戦争中という非常事態です。
今、世界では、あちこちで戦争が起こっています。
ニュースで見かけない日はありません。
徹子さんは、きっと「戦争は絶対にいけない」というメッセージを伝えたかったのではないかと考えました。
今、世界中のいろんな地域で戦争が起こっています。「絶対にしてはいけない」と、トットちゃんからの強いメッセージかもしれません。
ニュースで泣いている子どもたちを見て、悲しい気持ちになってしまいます。
こんなことが繰り返されてはいけません。
芸は身を助ける
トットちゃんのお父様は、日本では有名なバイオリニストでした。
戦争中に出征し、終戦後にはシベリアの収容所へ送られて、強制労働をさせられてしまいます。
終戦後にシベリア収容所へ行った人たちはとても苦労した、という話はよく聞きますね。
お父様も大変なご苦労をされたようですが、あるお願いを引き受けることになるのです。
聞いたところでは、君は有名なヴァイオリニストだそうだね。今後君には、日本人収容所を慰問して演奏をしてもらいたい
「続窓ぎわのトットちゃん」より
強制労働ではなく、演奏活動をお願いされます。
屋根のないトラックの荷台に乗せられ、零下二十度の雪原を何時間もかけて移動するのは過酷そのものだったろうけど、それでも、人の心を慰める活動ができたのは、よかったと思う。
「続窓ぎわのトットちゃん」より
きっと私には、想像もできないつらい状況だったでしょう。
でも、得意なことが何か1つでもあると、何かの時に役に立つことがあるのかもしれません。
「芸は身を助ける」をいう言葉を思い出しました。
お父様は、有名なバイオリニストで、あの「ラストエンペラー」の前で、演奏されたこともあるのだとか。そんな人も兵隊に行っていたのですね。
人より得意なこと、できることを増やしておくと、いざと言う時に役に立つことがあるのかもしれません。
私も、得意を少しずつでも増やしていこうと思います。
トットちゃんのデビューのきっかけを理解できた
学校を卒業すると、トットちゃんは芸能界へと進みます。
と言っても、どこかの芸能事務所へ入るのではありません。
レコード会社だったり、学校の先生だったり、それから藤原歌劇団に入団する人もいて、卒業後の進路を話すときの、同級生の顔が輝いて見えた。
「続窓ぎわのトットちゃん」より
同級生の進路が決まっていく中で、進路に悩むトットちゃんが、進んだ道は意外な方向でした。
そこから芸能界へ進むことになります。
当時は、テレビが普及する少し前。
二十八人の中には、すでに映画女優や舞台俳優として、有名ではないけど活躍している人が大勢いた。まったくの新人はトットぐらいかもしれない。
「続窓ぎわのトットちゃん」より
全くの新人であったトットちゃんが、どうやって女優へとなっていったのかが見どころです。
現在とは少し違いそうですが、興味深い内容です。
ところで、前作の「窓ぎわのトットちゃん」とは何が違うのでしょう?
簡単にですが、次から説明していきますね。
前作「窓ぎわのトットちゃん」とは?
前作の「窓ぎわのトットちゃん」は、今作の「続窓ぎわのトットちゃん」よりも前のお話です。
「窓ぎわのトットちゃん」
- トットちゃんが転校した「トモエ学園」のお話
「続窓ぎわのトットちゃん」
- トモエ学園がなくなった後のお話
「トモエ学園」は、東京大空襲でなくなってしまいます。
この後のお話が「続窓ぎわのトットちゃん」です。
トモエ学園は、とてもおもしろい学校です。
素敵な校長先生も登場します。
うん十年前に読んだ本なのに、いまだに内容を話せるくらいキラキラした素敵な本です。
読んでいない方は、ぜひ読んで見てください。
こちらは戦争のことは、あまり書かれていません。
読む順番としては、
- 窓ぎわのトットちゃん
- 続窓ぎわのトットちゃん
をおすすめします。
トットちゃんは、他にもたくさんの本を出版されています。
いくつか、昔読んだ本を紹介いたします。
トットちゃん関連のおすすめ本
子供時代に苦労されたからか、後に、トットちゃんは「ユニセフ親善大使」として活躍されています。
そして世界各国に視察に訪れています。
視察に行かれた記録本が発売されています。
Kindle本がありませんが、おすすめです。
少し前に出版された本ですが、ユニセフ親善大使としてのお仕事ぶりが理解できます。
女優になったばかりの頃のことについては、「続窓ぎわのトットちゃん」より、もっとくわしく書かれた本があります。
DVDもあります。
「トットチャンネル」は、テレビ放送が開始されてすぐの頃のお話。
今のように便利な機材がありませんでした。
どうやってテレビ放送がされていたのか、とても面白く読むことができました。
まとめ
- 戦争中はとても苦労された
- 芸は身を助ける
- トットちゃんのデビューのきっかけを理解できた
42年ぶりに続編が出版されました。
日本ではリアルに戦争を知っている世代は、もうほとんど残っていません。
90歳の徹子さんが、ご自身の戦争体験を残しておかないといけない、という強い思いで書かれたのではないでしょうか。
「窓ぎわのトットちゃん」関連以外の本も紹介させていただきました。
徹子さんの本は、どれも面白い本です。
この機会にぜひ。
【おまけ】
2023年10月から放送された朝ドラ「ブキウギ」モデルの笠置シヅ子さんの自伝が復刻版発売されました。戦時中から終戦後の同じ時代に生きた女性です。
2024年4月から放送中の朝ドラ「虎に翼」モデルの三淵嘉子さんの生涯を綴った本です。同じ時代に生きた女性です。
「ブックレコメンド」にレビューを載せていただきました。
文字のみなので、画面が白黒の端末で読むのがおすすめ