寺地はるなさんの著書の「世界はきみ(君)が思うより」の感想・レビューをお伝えします。
生きづらさを抱えた人たちが、自分の居場所や心地よい生活を自然に見つけていく優しい雰囲気に包まれた小説です。
寺地はるなさんの小説は、他にも「リボンちゃん」「水を縫う」「川のほとりに立つ者は」などがあります。

表紙のイラストひとつひとつが、大切なパーツです。
「世界はきみが思うより」感想・レビュー

「世界はきみが思うより」の感想・レビューは、
- 「世界はきみが思うより◯◯」と想像しながら読める
- 知らず知らずのうちに、誰かに生きづらさを与えていない?
- 食べ物とコミュニティで救われる!
では、1つずつ説明していきますね。
「世界はきみが思うより◯◯?」と想像しながら読める
この物語は、最初の場面で想像するのと全く違う展開で話が進みます。
途中から思わぬ方向に進みますが、全体にとっても優しい雰囲気に包まれています。
嫌な人が一切出てきません。
気持ちが落ち込んでいる時や、元気がない時でも、安心して最後まで読めます。
「世界はきみが思うより◯◯?」と想像しながら読みました。
答えは結末にあります。

「世界はきみが思うより◯◯?」と想像しながら読みました。
最初から最後まで、とにかく優しさいっぱいの小説ですが、生きづらさを抱えた人がたくさん出てくる小説でもあります。
登場人物たちの生きづらさは、決して特別ではありません。
知らず知らずのうちに、誰かに生きづらさを与えていない?
登場人物たちは、それぞれが「生きづらさ」を抱えています。
決して特別な環境や、珍しい境遇におかれていたのではありません。
誰にでも起こりそうな小さな出来事がきっかけで、彼らの生きづらさとなり、辛い思いを抱えてしまっています。
生きづらさの内容に「これ、わかるなあ」と思うものもあります。
一方、登場人物の誰かが抱える生きづらさの内容に「もしかして、私は誰かに生きづらさを与えてしまっていないだろうか?」とも思えるのです。
誰でも被害者になり得るし、加害者にもなり得ます。
何気ない言葉や行動が、誰かの生きやすさに生きづらさにもなる・・・人と人が繋がると起こることではありますが、自分の立ちふる舞いは大丈夫だろうか、と考えさせられます。

生きづらさを抱えているあなたも、誰かに生きづらさを与えているかもしれません。
「誰かのよかれと思った発言が、言われた本人には逆効果」だった場面まで登場します。
ここまで来ると、さすがに相手を傷つけないのは無理かもしれません。
とは言え、できるだけ人を傷つけないようにしたいものです。
食べ物とコミュニティで救われる!
「世界はきみが思うより」は、いろんな食べ物・飲み物が登場します。
これらが、物語の重要なスパイスとなって効いています。
時には、誰かと一緒の食事の機会に恵まれます。
さらに登場人物たちは、どこかのコミュニティに所属しています。
物語の中で出来上がったコミュニティに所属する人もいます。
- 食べること・飲むこと
- 人と人がつながること
どちらも生きていくために欠かせません。
生きづらさを抱えた人たちが、おいしい食事をして、心が癒されて、身体も元気に整う。
コミュニティでいろんな人とつながる、話をすることで自分を冷静に見る、元気になる。
リアルに生きる私達にも同じことが言えます。
おいしいものを食べる・人とつながる・・・とっても大切です!

生きづらさを抱えた人たちが、誰かと一緒に食事をしたり、コミュニティに所属したりして、居場所を見つけていきます。
「生きづらさ」を抱えていなくても、仕事や勉強で毎日が忙しくてしんどい、仕事や育児・介護に追われて家にこもりきりで行き詰まった気分になる・・・これは誰にでも起こり得ます。
時間を作り出すのが難しいかもしれませんが、
- きちんとした食事をする
- 行きやすい場所のカフェでまったりする
- 近所のコミュニティに出向く
- オンラインコミュニティに参加する
など少し違ったことをすると、気持ちが落ち着いたり、自分を冷静に見られたりするかもしれません。
大きなことはできなくても、少しの時間を作ることができればよいのかも、と感じました。
表紙のイラストにスイーツやドレスが描かれていすが、どれも物語の大切なパーツです。
最後に全てがわかります。

本のボリュームもほどほどで、久しぶり読書にもおすすめ!
【おまけ】瀬尾まいこさんの「そしてバトンは渡された」は、親が何度も変わる環境でありながらも、優しい人たちに囲まれて成長する主人公の小説です。優しい雰囲気に包まれる1冊








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