山口未桜さん著書の「百魔の檻」を読みました。
読み方は「びゃくまのおり」です。
この本の感想・レビューをお伝えします。
同じく山口未桜さんの小説「禁忌の子」の続編にあたる作品です。
時系列ではないので、どちらから先に読んでも構いません。
両作品とも「城崎」という医師が登場人物。
本作「百魔の檻」の続編も出てほしいです。
辺り一帯が、白い闇に包まれてしまいます。
舞台は北海道。
研修医の春田芽衣が、先輩医師の城崎と過疎地へ向かい、とんでもない事件に巻き込まれてしまいます。

前作に続き、とってもおもしろかったです!
「白魔の檻」感想・レビュー

「白魔の檻」の感想・レビューは、
- 究極の状態になると、人は本性が現れる・・・
- やはり医師は大変なお仕事・・・
- 過疎地医療にまつわる問題は深刻だ
では、1つずつ説明していきますね。
究極の状態になると、人は本性が現れる・・・
主人公の春田先生と城崎先生は、北海道の過疎地域の病院に、お手伝いに向かいます。
ここで、とんでもない災害&事件に巻き込まれてしまいます。
これだけの究極の事態に遭うと、人は本性が現れてしまうのでしょう。
医師や患者、たまたま病院に来ている最中に巻き込まれてしまった町長など。
我先にと脱出しようとする人、周りの人に譲る心を持っている人・・・。
本性が剥き出しになる人たち・・・ああ恐ろしい・・・。
医師や看護師たちはもちろん、病院の職員たちは、患者の身の上を第一に考えなければなりません。

究極の状態でも、患者さん第一に考える医師たちの活躍ぶりに心がギュッとなります。
「白魔の檻」を読んで、いちばんに感じたことは「お医者さんって大変だな」でした。
やはり医師は大変なお仕事・・・
災害地や海外の戦争地域で治療を続ける医師や看護師たちをテレビで見ると、本当にすごいな、と頭が下がる思いでいっぱいになります。
自身の命さえも脅かされるかもしれないのに、目の前の人の怪我や病気が少しでもよくなるように取り組む姿・・・。
なかなかできることではありません。
私が医師なら、こんな危険な場所へ行くことは避け、安全な場所だけで取り組む選択をしてしまいそうです。

災害や戦争地域で働く医師の姿を見ると、頭が下がる思いです・・・。
物語の前半は究極の事態に巻き込まれた病院内の人々を中心に描いていますが、後半は過疎地医療を取り巻く問題に向きあった展開となっていきます。
過疎地医療にまつわる問題は深刻だ
「白魔の檻」は、北海道の僻地にある地域拠点病院が舞台です。
過疎地域でもあり、圧倒的に医師が足りていません。
過酷な環境でも、プライドを持って地域の人々の健康を見守る医師たちの姿があります。
この環境が原因となり、悲劇が起きてしまいました。
前作「禁忌の子」でも感じたのですが、かなり踏み込んだ事例を挙げており、現役の医師でないと、ここまでリアルに描けないのでは、と感じます。
過疎地医療はここまで疲弊しているのか、と驚きました。
現在の日本では、医師・看護師を目ざす若い人の減少と高齢者の激増が同時に起こっています。
怪我が原因か、病気が原因かに違いはありますが、遅かれ早かれ人はいずれ亡くなります。
それを判断し、見守る医師・看護師が不足しては、近い将来はとても困った事態になるでしょう。
すでに、現在もそのような状況かもしれません。
この小説は、医師不足をリアルに取り上げています。
場所は北海道の僻地ですが、人手不足はいずれ都市部にも波及するかもしれません。

「医師不足による悲劇」を取り上げています。
山口未桜さんの小説は、現役医師のせいか専門用語が多く、医師でない私達にはわかりづらい言葉がたびたび出ます。
ひとつひとつの言葉を調べて読み進めるのもよいですが、専門用語を全て理解しなくても、著者が訴えたいことが(たぶん)理解できます。
言葉が難しいから、医師の場面が多いから分かりづらい、と投げ出さずに理解できる範囲で読み進めれば、著者の想いが理解できるはずです。
めげずに読了してください。

前作「禁忌の子」もおすすめです!
【おまけ】前作「禁忌の子」も載せています。








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